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BUD最終話についての考察(3)
今日は長文、興味のない方はスルー推奨~。

2.第九皇子の問題
 私としてはこれが最大の問題であり、ここをどう描くかが最大のポイントです。天地の契約による贄の存在、これは蕾に限らず東雲にも重くのしかかってきているはずです。この存在を彼らがどのように消化していくか、とても気になるところです。

(1)第九皇子の問題が何故問題なのか、あるいは第九皇子の問題とはどんな問題か
 蕾は第九皇子を心の神殿に住まわせ恋にも似た感情を抱き恋ができない。誰かとラブラブになって幸せな時を過ごし第九皇子を忘れる、そうなることを恐れている(うろおぼえですが…)。
 無垢な魂が拷問により天地を支え、しかもその無垢な魂により自分は命を救われ生かされている。命の恩人、などという陳腐な言葉では表せないかけがえのない第九皇子という存在を、何があっても忘れてはいけないと思う蕾の気持ちは十分理解できるものです。そしてそのような存在である第九皇子を心の神殿に住まわせ、彼の足元に跪く…そういう生き方を選択する道もないわけではありません。
 しかしですね、それは人生(天生?)の選択の判断を自分自身ではなく第九皇子、蕾の心にある第九皇子がすることになってしまうということですよね。それは従属。自分の存在は第九皇子の犠牲の上に成り立っているという事実は忘れるべきではないと思います。が、忘れるべきではないということが、恋をして誰かを思うとき第九皇子を忘れてしまうから恋をしてはいけないという結論になるのはあまりにも第九皇子に依存していないかと思うのです。第九皇子の前ではすべてのものは跪くべきだと思っているようで、現時点の蕾は少し危ういです。オトナになるということは、誰かに従属していた子ども時代を脱し、独立した一個の人格となることではないでしょうか。蕾には第九皇子を忘れるわけではないけれど、第九皇子の存在をしっかり受け止めながら、自身は独立した存在であってほしい、そうなって欲しいと思うのです。誰よりも自由で、誰よりも強く美しい蕾が私の理想です。
 そしてそれは実は東雲にも言えることではないかと思うのです。第九皇子の存在により、自分がシアワセになることをすっぱり諦めてしまうのは、東雲の方ではないかと思っていました。贄の皇子という存在はこの地に生きるすべての者の上に重くのしかかるものですが、蕾は自分の命を救ってくれたという点で、他の誰より心深く根ざす問題となっているのと同様、東雲も双子の兄弟であるという点で、蕾と同じくらい重い問題なんじゃないでしょうか。つまり、同じ時同じ姿で生まれてきたのに、何故贄は私ではなく弟だったのかと、答えの出ない問題、出口のない迷路に迷い込んでしまっているのではないかと思うのです。

(2)第九皇子の問題の意味
 BUDにおいて第九皇子の問題はいったいどういう意味があるのか。
 (1)で述べたように、第九皇子の存在が蕾にとって越えなければならない問題としてあると思うのです。天地の契約の見直しが行われ贄制度(?)が廃止されれば(例えば余音事件により見直しが行われるとか・笑)、蕾にとって恋をするための障害が取り除かれ問題は解決するわけですよね。あるいは蕾(や東雲)の尽力により第九皇子が解放されるということも考えられるわけです。
 しかし、私は天地の契約による贄制度は蕾や東雲がどんなにがんばっても解決できない問題だと思います。この契約はどんなに理不尽であってもどうしようもないものです。
 そもそも人生ってそういうものではないでしょうか。幼い頃は自分の力で何でも解決できると思ってたし、実際できていた。でも、世の中はそんな甘いものではない。自分の力ではどうしようもないことが存在する。自分の力ではどうしようもないことを思い知ることが大人になるということで、その自分の力ではどうしようもないことにどう対応していくのかが、大人の中身が問われるところなのではないでしょうか。矛盾に満ちた世の中のありようの前で、自分自身をどう前進させていくかが問われる。第九皇子の存在は蕾が精神的にもう一歩前進するための試金石なのではないのかな。
 第九皇子が解放されたら私もすっきり「しのつぼ」モードに入れるのですが(笑)、物語に深みを持たせるという意味でも、第九皇子は救われない存在にしておく、というのが私の考える最終話です。

(3)第九皇子の問題の解決
 (2)でも書いたように私の考えるBUD最終話では贄の皇子の存在はなくならないと思います。誰かの犠牲の上に自分の存在があるというのは、BUDの世界に限らず現実的にあることですよね。
 では、蕾はどうそれを乗り越えていくか。
 外的には贄制度は存続しているのだから、自分の中で何とか決着を見なければならない。自分自身をどう納得させるか。
 ・・・私は心の決着をどうつけたらいいのか、さっぱりわかりません。というより、このような問題に正解となる解答なんてないんだと思います。忘れる、心の中の第九皇子に跪く、第九皇子を畏界のひとやから力ずくで連れ出す、天神界に殴り込む(笑)、天地の契約をなくすよう働きかける(蕾には無理?)、出世して契約に係わることができる地位につく(蕾には無理?)、誰かにお願いする(蕾には無理…)などなど。正解なんてない。常に迷いつつ悩みつつそれでも生きていかなければならない。試行錯誤と自問自答の繰り返し。前進しているのか後退しているのかさえわからない迷路ですね。でも、その試行錯誤と自問自答の繰り返しこそがその人(天仙?)の歩んだ道となるのでしょう。
 
 (つづく)
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